宗ノ上
どんな伝承か
北川村宗ノ上の上部落の生まれで、儀三郎という人がいた。明治の終わり、語り手が十七、八の頃のことである。儀三おじいの田は部落から奥へ千二百メートルほど行った所にあり、語り手も田植えの手伝いに行っていた。おじいが水を見てくると言って一人で出かけ、やがて戻ってきたのを見ると、顔も手も足も血だらけで、阿呆のようになっていた。聞くと、小坊主が相撲を取ろうと言うので取っていたのだという。それから少し頭がぼけてしまった。以来そこを「エンコウ淵」と呼ぶようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。