天保頃、豪奢に耽った大平長者が鶴の卵を欲し
どんな伝承か
西牟婁郡稲成村大平の長者は、天保の頃この地に山荘を構えて豪奢に耽った。長者は川向かいの土堤の樹に巣食った鶴を見てその卵を欲しがり、下僕に命じて夜ひそかに鶴の卵を盗ませ、代わりに家鴨の卵を入れておかせた。やがて家鴨の子が孵ったのを見て、二羽の鶴は泣き狂い、家鴨の子を殺して自らも滅んだ。このときから大平長者は衰え始めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。