炭焼き長者伝説
どんな伝承か
大分県臼杵の深田には紫雲山満月寺の遺跡があり、いまは山腹の岩壁に仏像が彫られ、そのほかの石像も残っている。満月寺は敏達天皇の世、真野の長者が百済の蓮城という高僧を招いて建立したという。長者は小五郎といい、もとは貧しい炭焼きであった。ある時、京都から美しい女が訪ねて来て女房にしてほしいという。清水観音が夢枕に立ち、真野なる地の小五郎という若者の女房になるべしと告げたのだという。女は持参の黄金を渡して米麦を買えと頼んだが、小五郎は池の鴛鴦に黄金を投げつけて失い、そのような黄金なら炭を焼く山の谷川に幾らもあると言った。こうして黄金を集めて長者となり、二人の娘玉世姫は用明天皇に恋われたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集