物部村旧家の天井裏の御幣
どんな伝承か
著者が高知県の物部村の旧家で行われた家祈禱という神祭りを見学したときのこと。その家は天の神様や御崎様といった、家を守護する数多くの神々を代々祭ってきた家であった。太夫と呼ばれる数人の宗教者が雇われ、祭りの準備にかかっているとき、家の主人がハシゴを持ち出して部屋の一角の天井板を移動させ、太夫とともに暗い口を開けた天井裏へ入り込んだ。興味を覚えて続いた著者は驚いた。天井裏の要所要所に、数え切れないほどの神の依代である御幣が立ち並んでいたのである。主人は煤けた古い御幣をかき集め、太夫が新たに切った御幣を立て並べていった。天井裏は家の守護神たちの棲む空間であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦・1990年代~2000年代推定)