仁田忠綱の地獄めぐり
どんな伝承か
江戸の庶民に好まれた『富士の人穴草子』の伝承。源頼家は富士の人穴の噂を聞き、まず和田平太を探検に遣わす。穴の中では大蛇が口から火炎を吐き、その先で機を織る十七、八歳の女に、これより先へ行けば命を落とすと告げられた。頼家はさらに伊豆の住人仁田四郎忠綱を送る。忠綱が奥へ進むと八棟造りの唐風の御所があり、丑寅の方角に頭に十六の角をもつ大蛇がいた。求めに応じて刀を与えると大蛇は法師の姿となり、私は菩薩であると告げて地下に広がる数々の地獄を案内したという。入口へ戻ったときには七日が経っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦・1990年代~2000年代推定)