池の主が昇天した大雷雨の夜
どんな伝承か
亀ヶ池には主と呼ばれる雌雄二頭の大蛇が棲むと言われていた。ところが池のまわりに人家が建ちはじめると池は半分の三千余坪まで狭められ、近くの住民が塵芥を投げ入れ汚物を洗うので水も穢れた。これを嫌った雄蛇は、大雷雨の夜、弁天堂脇の老松が火柱と化すなか、黒雲を招いて天へ昇ったという。ひとり残された雌蛇も、長年棲み馴れたこの池を去って三宝寺池へ移った。里の人はこれを主の移転と呼んでいる。馬子が蛇の鱗に驚いた出来事は、この怪事から数か月のちのことだったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・昭和初期(1920年代~1930年代))