横須賀から来た六歳の迷子
どんな伝承か
先ごろ、六つばかりの女の子が神奈川県の横須賀から汽車に乗ってきて、東京駅の付近をうろついているところを警察に保護された。大都会の真ん中では子供が親とはぐれることも多かろうが、これほど幼い子が誰にも怪しまれずに遠くまで来ていたのは珍しい、と柳田は書く。昔の人はこうした例のうち前後の事情が不可思議なものを迷子と呼び、冒瀆を恐れぬ者は神隠しとも呼んだ。野山の多い土地ではこの種の神隠しがことに頻繁で、隠された者の半ばは二度と戻らなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。