西菩提寺の杓子池の雨乞い
どんな伝承か
一方には積極的に、杓子によって多くの不可能事を成し遂げようとした俗信がある。たとえば「近江国輿地誌略」によれば、江州愛智郡西菩提寺村の杓子池では、池に杓子を入れて水を掻き濁すことを有効な雨乞いの方法としていた。柳田は、これは杓と杓子が本来一つであった一つの証拠で、神池の水を攪拌して龍王の力を借りる途とした名残かもしれないが、少なくとも近世においてはこれを雨の挑発手段に供したらしいと述べる。この種の俗信が仏道その他宗教上の承認を得たものでないことは、往々にして無理な目的にも使われることでよく分かるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。