旅人を守るゆきよし様の霊地
どんな伝承か
もとは「ゆきよし様」という神の塚もしくは霊地が、この地方の主要な往還のほとり、ことに峠の口とか路の辻、また両山の迫った浪合のような切処などに祀られていた時代があったらしい。ユキヨシサマとは神の名から考えれば旅人の保護者であったろうが、その由来が少しく不明になると、すぐに或る優れた人の御霊を崇めたもののように推定するのが昔の人の癖であり、また口寄せをする者の習わしでもあった。神が自ら語りたまうことを信じない人は一人も無かった時代である。後にその霊は信濃宮の御子とされ、神の名も尹良親王と書かれるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。