鳩間節に歌われるコバの林
どんな伝承か
那覇の港の色町などで今ももてはやされている鳩間節は、特に蒲葵の林の美しさを歌っているために、永く耳に残る。その鳩間は遠い八重山の小島であって、最も世離れた寂しい村であった。歌には「鳩間中むり(中岡)ばり(走り)ぬぶり(登り)/くばぬ(蒲葵の)下にばりぬぶり」とあり、美しく生い、清らかに列なった頂の蒲葵を讃えている。柳田は、南海の島において蒲葵を清くめでたいものとした考えが、かえってその繁殖を制限したことは、ほぼ断定してよいようだと述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。