久高島の刀自定め(花嫁の逃走)
どんな伝承か
久高の島では最近まで刀自定めという習慣が行われていた。人の妻となる者は必ず祝言の席上から逃げ走り、十日二十日の間、新郎に捕えられぬよう努めねばならなかった。周囲一里とすこしの小島の内ではあるが、御嶽の中には男子が憚って入らぬため、そこへ逃げ込めば何日でも捕まらずにいられた。今の外間のノロクモイは七十二日の間見付けられなかったと自慢しているという。新郎は多くの友人の助力を頼んで血眼になって捜し回り、捕えれば髪の毛を鷲づかみにして手荒い折檻をするのが作法で、早く捕まった花嫁はみだらな女のように嘲られたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。