久高島に顕れた二柱の神
どんな伝承か
南の海の島々ほど昔から天降りの盛んであった所はなく、大事の起こる時や祭の時に、万人が一同に神の姿を拝んだという記録が段々に残る。宝暦年間には与那原の浜に天女三人が降って多くの人に拝まれ、水などを浴びて長く遊んだと大島筆記その他の本にあり、それから四十何年後の天保九年にも、久高の島に二柱の神が現れ、全村これを拝せぬ者は無かったと球陽にある。個々の信者の見聞ではないだけに、普通の幻覚とも断定してしまえない。柳田はこれを特殊神聖なる演劇ではなかったかと考え、神に扮した者は村々の祝女でなければならなかったと推測している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。