許田の手水(手水の縁)
どんな伝承か
沖縄では組踊「手水の縁」がめったに興行を許されぬようになっても、晴れて日の照る日に許田の入江の村を通る者は、昔その泉のほとりで清水を手に掬んで若い旅人に飲ませたという美しい少女を、思い出さぬ者はないという。際限もなく古い親々の代から、一つの物語がしばしばその影を変じて常に清新に、幽艶の調べが流れて永く絶えないさまは、あたかもこの里の泉の水のようであった。柳田はその源を、清水を恋い慕う島人の心もちと、どこまでも泉に纏綿した村の女性の生活の二つに求めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。