消えて無くなる処女
どんな伝承か
田岡典夫が高知市の中学校の二年か三年の頃の話である。友人と二人で遊び歩き、夜の八時頃に堀詰から上町の方へ帰っていると、そこの電車停留場に停まっていた電車へ、一人の美しい処女が急いで乗った。乗ると同時に電車が出て二人の前を通って行った。二人は処女に興味を持って追いかけ、次の停留場の中之橋通りで追いついて乗った。座席は皆ふさがり、処女一人が吊革にぶらさがっていた。二人は処女を中にして吊革を持ち、次の大橋通りで傍の老人が降りた空席を譲りあってから処女の方を見ると、姿が見えなかった。車内を見まわし老人の降りた街路へ眼をやったが、そこには老人の姿があるだけであった。
原典より
* 松井須磨子の写真 (346)* レンズに現われた女の姿 (347)* 幽霊写真 (348)* 死児の写真 (350)* 写真に映った登山姿 (350)* 御嶽登山の記念写真 (351)*…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年))
日本怪談実話(田中貢太郎)/幽霊と怪光の実話/怨霊と祟り・因果/死の前兆と怪音/各地の怪異実話