汀間の神アシアゲとニライ神
どんな伝承か
汀間の入江の岸には、歌で名高い汀間の神アシアゲがある。壁も簀子も無い森閑とした建物で、二列に続いた沢山の柱の間から遠い大洋の水が眺められる。初夏の頃の静かな海を渡って、ここに迎えられる神をニライ神加奈志と島人は名づけていた。大島でナルコ神テルコ神といったのも同じである。しかも北東に面した久志の沖はあまりにも茫洋としている。伊平屋や久高が神の島として遥拝せられ、人界の英俊もまたこれに拠って出たのは、やはり我々の空想にも、何か具体的な飛石のようなものを必要としたのではあるまいか。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。