蕎麦を馳走された九品院の地蔵
どんな伝承か
練馬の九品院に蕎麦喰い地蔵が祀られている。かつて浅草の誓願寺の門前に尾張屋という蕎麦屋があり、毎晩ひとりの僧が来ては蕎麦を一杯馳走になっていた。ある夜、主人が後をつけると、僧は西慶院の地蔵堂へ消えた。その晩の夢に僧が現れ、西慶院の地蔵と名乗って、蕎麦の供養の返礼に一家の災いを払い、とりわけ悪疫を退けようと告げた。やがて江戸に疫病が広まっても、この一家だけは無事だったという。九品院は西慶院を併せた寺で、浅草から練馬へ移されたものである。
原典より
練馬区練馬の九品院に、蕎麦喰い地蔵というものが祀られている。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・昭和51年(1976)刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・昭和51年(1976)刊)
大島建彦・渡辺千佳子『武蔵の伝説』(角川書店「日本の伝説」シリーズ・昭和51年=1976刊)を全799話・伝説単位で収録(巻頭「はじめに」は除く)。旧国「武蔵」=東京都・埼玉県および神奈川県の一部(川崎・横浜など)にまたがる伝説を、木/石・岩/水/塚/坂・峠・山/祠堂/家・村/祭礼・行事 の八部門に分類して集成する(内訳 東京都371・埼玉県353・神奈川県75話)。