人喰い松と呼ばれた出世松
どんな伝承か
渋谷の上通三丁目にあった松は、下に塚を抱き、元禄のころ植えられたと伝えられていた。区画整理の妨げになるとして昭和五年に移転の許可が下りると、相談の帰りに発起人が道で転んで肋骨を折り、木に手を出した料理人五人が高熱を出すなど災いが続いた。以前に枝を切った町会議員の一家七人が死んだ話まで蒸し返され、人喰い松と呼ばれて騒ぎになる。蛇神が棲む、弁財天が宿るとも言われ、供養ののち出世松と改めて移されたが、松は枯れ、今は小祠だけが残る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。