妻殺し田
どんな伝承か
大草村上条東割の地内、坂下六田という所に、六尺立方ほどの大きな石がある。昔、早乙女衆が田植えの中休みに、この辺りの芝原に腰を下ろして休んだ。初めは苗や田植えの話をしていたが、話は次第にはずんで四方山の世間話になった。しばらくして一人の早乙女が思い出したように「さあさあ休み過ぎだよ。もうあんなになった」と、山に落ちかかった夕日を仰いだ。すると話の音頭を取っていた早乙女が「へえ山へへえりやがるだか」と不足がましく言った。その途端、山の上から小家のような大石が凄まじい音を立てて転げ落ちてきて、あわやという間もなく、その早乙女を敷き伏せてしまった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。