夜ごと乳を飲ませに来るお百合の霊
どんな伝承か
佐喜浜の町分にある寺田という庄屋の家へ、野根山越えの村境、岩佐の関所寺から娘のお百合が嫁いできた。ところが姑が口やかましく、子が生まれるとお百合は実家へ帰された。産んだばかりの子を案じて思い悩むうち、お百合は病を得て世を去る。まもなく庄屋の家では、夜更けにトントンよと坊やを呼ぶ女の声が聞こえ、そのたび赤児が起き上がってチュウチュウと乳を吸う音を立てた。人々は、お百合の幽霊が乳をやりに来るのだと噂した。岩佐には今もお百合の墓が残る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。