巌窟に祀られた片足神と半金剛
どんな伝承か
土佐の山中に住む山ジイ・山鬼と呼ばれる怪物は一本足だという俗信があり、これと思い合わされるのが『南路志』の安芸郡室戸村大字元字船戸の条である。そこには片足神の社は巌窟であり、この神は片足であるからと半金剛の片足を寄進することが古来の風だと記されている。土佐では岩穴の中に神を祀る例が同書に多く見え、必ずしも山の神とは定まっていない。草履の類を捧げ物にする神は諸国にいくらもあり、その一つ二つは常に片足だけを供えるが、神が一本足だからという説明はまだ聞かないと柳田は書いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・昭和(民俗学))
柳田國男の妖怪研究を集めた『妖怪談義』(選集五巻)。