おさん狐
どんな伝承か
昔、江波にお三という狐がいて人を欺していた。江波には鰻釣りの寅という男がいて鰻寅と呼ばれ、お三と鰻寅は互いに欺してやろう、欺されまいと一生懸命だった。ある日、出会って話すうちに、お三が「あんたは何が一番こわいか」と問うと、寅は猪が一番こわいと答えた。寅が同じことを問うと、お三は「トンコロリが一番こわい。トンといえば転げるから」と答えた。その後、二人が出会うたびにお三は十円札を出して「ほうりゃ、猪じゃ」と寅を怖がらせた。寅は「やれこわい」と言ってはその札を取って逃げ、銭を儲けていたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。