江波の土手で袋に落ちたお三
どんな伝承か
ある晩、江波の土手を役者が通りかかると、お三が現れてさまざまなものに化けてみせた。役者は肝を据え、肩の袋を下ろして頭を突っ込み、中の能面をかぶっては、お三まだおるか、と声をかけ、面を取り替えながら次々に化けて応じた。感心したお三が、袋の中にはどんなものが入っているのか見たいとせがむので、役者は袋の口を開けて中へ入らせ、すかさず口を縛って土手の下の海へ投げ込んだ。それきりお三の姿を見た者はいないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。