弘法大師と犬
どんな伝承か
阿哲郡哲西町畑木で語られた話。弘法大師が日本の国に米を作らせようと思って天へ上り、天王の屋敷へ行くと犬が激しく吠えた。天王は怒って犬の足を一本切ってしまい、三本では歩けない。大師は気の毒に思い、五徳の四本ある足を一本取って付けてやった。犬が小便のとき足を一本上げるのは、大師からもらった足だからだという。大師は天の米を一粒盗み、皮の中に入れて持ち帰ったが、皮が厚くなって麦になった。大師が米や栗や木を植えると、あまんじゃくが似て非なるじねんごやぎろやひえを蒔いてまわった。腹を立てた毘沙門に背中から押さえつけられ、あまんじゃくは踏み台になって背がそり返っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。