森尾の源太夫
どんな伝承か
昔、但馬の森尾の辻堂に旅の六部が病んで寝ており、村の人が代わるがわる世話をしていた。あるとき六部が、自分の寿命は今日限りだ、誰か乳を飲ませてくれる者はないかといった。六部に乳を飲ませる者などいないといっていたが、村で一番貧乏な源太夫の妻なら子もあり乳も出るというので頼み、承知して飲ませに来た。すると六部は、乳が飲みたいといったのではない、乳を飲ませてくれる者が親だ、その親に自分の持ち金を全部差し上げたいといい、源太夫はその金をもらった。源太夫はそれをもとに身上をふやし、とうとう大金持ちになったという。
原典より
昔、但馬の森尾の辻堂に旅の六部さんが、病んで寝て居っただ。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。