銭亀家の白百足
どんな伝承か
銭亀さんは家から平福まで他人の土地を踏まずに行けるほどの財産家であった。ある夜、囲炉裏の自在鉤が晒木綿を巻きつけたように白くなって動いているのを女中が見つけて大騒ぎになった。よく見ると大蛇のような白百足である。見つかったと悟った大百足は屋根裏から破風に出て、屋根棟ほどもある正体をわずかに闇にさらし、いずこへともなく姿を消した。村人は毘沙門の使い姫は百足だから裏山の毘沙門さんの使いに違いないといい、毘沙門堂と銭亀さんの間で道切りをするよう勧めた。村人は百足が通ると思われる道筋に一メートルほどの段を掘り、道切りの作法をした。以後大百足は現れなくなったが、銭亀さんの家には不幸が相次ぎ、財産も次々と人手に渡ってまたたく間に落ちぶれたという。
原典より
銭亀さんは家から平福へ行くまで、他人の土地を踏まずに行けるほどの財産家であった。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。