墨の輪で鳴かなくなった蛙
どんな伝承か
高原田の毘沙門堂の境内では、蛙が鳴かないといわれている。毘沙門天を招き入れるとき、蛙がやかましく鳴いたので、その口のまわりに墨で輪を描いたからだという。それ以来この境内の蛙は声を立てなくなったと伝える。もっとも、裏山から湧く清水がひどく冷たく、蛙が鳴くほどの温かさではないからだという言い方もあり、その清水にはハダッカスと呼ぶ山椒魚も棲むという。この毘沙門堂には毎月三日、十三日、二十三日に近隣の年寄りが米を一升ずつ持って参り、庵主の経にあずかって斎を食べ、茶飲み話に一日を過ごした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史・自治体史(民俗))
新潟県柏崎市の信仰と俗信を網羅する。