佐水毘沙門と伝教大師伝説
どんな伝承か
延暦年間、上条の里の佐水字マブタというところに喜衛門という百姓がいた。その家に坊太郎という作男が雇われていたが、郷之原のあたりで人殺しや泥棒が始終あるのは坊太郎の仕業だと知れ、喜衛門は暇を出した。獣のような坊太郎はスジガ沢に住み、毎夜柏崎に出て悪事を続けた。ある夜襲った旅人が有名な伝教大師で、坊太郎は大師の如意に傷つけられた。血の跡をたどって大師がスジガ沢に着くと、坊太郎は隠れ家を知らせたのは喜衛門に違いないと思い込み、組みついて左眼をかき出した。追いついた大師は鬼の坊太郎を斬り、首を坊山に、胴を袋方に埋め、雨池から取ってきた椿の木で自ら毘沙門三像を刻み、坊山に堂を建てて安置したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史・自治体史(民俗))
新潟県柏崎市の信仰と俗信を網羅する。