佐用郡で河童が骨継ぎ薬を伝える
どんな伝承か
宝永の頃、七月下旬の残暑厳しいころ、佐用郡のある御家中で、川辺につないでいた野飼いの駒を柳の木に結んでおいたところ、駒が厩へ逃げ帰ってきた。家来たちが見に行くと、片隅に猿のような姿の河虎(河童)が手綱を身に巻きつけてうずくまっていた。帰宅した主人はこれを憎み、脇差で右手を斬り落とすと、河虎は涙を流して命乞いをし、今後この村の者には決して手を出さないと誓った。主人が手を返してやると、河虎はその夜のうちに元通りに接ぎ、代わりに秘薬の調合法を伝えたという。以来この地では骨継ぎの妙薬として代々伝わっているとされる(西遊見聞随筆)。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。