湖底に沈んだ阿曽津千軒と金壺
どんな伝承か
山梨子の南に阿曽津という村があり、阿曽津千軒と呼ばれるほど大きかった。そこにおかねという金持ちの婆さんがいて、金に困った村人が借りに来たが、利が高くてなかなか返せない。この婆さえいなければと、村人は簀巻きにして琵琶湖へ放り込んでしまう。すると湖が急に荒れ、大津波が寄せて、一晩で阿曽津の村は湖底に沈んだ。逃げのびた村人は、こわやの、こわやのと言いながら方々へ散り、柳野・西野・熊野・磯野・高野という野の付く村に住みついたという。千年に一度、元旦の朝早く、婆さんの埋めた金壺の上に黄金の鶏が立って一声だけ鳴くとも言い伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。