弘法の麦盗み
どんな伝承か
昔、お大師さまが旅をしていた。寒い朝で川を渡るのが冷たく、麦に「わしは年寄りだから、この川を負うて渡してくれ」と頼んだが、麦は「冷たいから」と断った。そこで蕎麦に頼むと「へぇ、ようがす」と快く負うて渡してくれた。それで麦は冬の百日を雪の下で暮らし、蕎麦は寒い冬も暑い夏も避けて実るのだという。また蕎麦の足元が赤いのは、冷たい川を負うて渡ったときに赤くなったのだと言い伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。