フグの魔よけ吊るし
どんな伝承か
兵庫県美方郡の浜坂町では、針供養の二月八日に、魚のフグを軒先に吊るして一年中の魔よけにするという。これは但馬地方に古くからあるマジナイだともいうから、新聞解説にあった『始終福』というゴロあわせは新しいこじつけかもしれない、と著者は疑っている。門口の魔よけには各地に例があり、関東ではオッカドボウという木の人形を立て、青森の津軽地方では疫病が流行すると電柱に自分の手型を貼り、岩手県九戸郡大野村の久慈街道筋では、柱に猿の手首を打ちつけた家が先祖伝来の魔よけとして残っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。