白馬淵
どんな伝承か
京の禁裏へ庭掃きに上がった浜坂町大味の平左は、貧しい家の生まれながら世にまれな美男子で、「おらが家は金のたらいで足を洗い、寝ていて月日が拝め、門の木にカモンが止まってさえずる」と自慢していた。父の病を口実に帰郷した平左を白馬の姫が追ってきたが、金のたらいは鍋の欠け、月日が拝めるのは屋根の穴、カモンは蚊の羽音であった。驚いた姫が泣く泣く引き返す途中、馬が足を滑らせて川に落ちた。そこを白馬淵という。大雨で姫も馬も流され、清富の村下の山裾に流れ着いたので、姫の霊を祭ったのが白馬さんである。
原典より
〈柳田―「馬淵」〉昔、京のキンレイ(禁裡?)さんの三年六石の給料で庭掃き奉仕に上った浜坂町大味の平左(助左とも)いう男があった。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。