災厄を払うカラス団扇
どんな伝承か
府中市の大国魂神社で行われるスモモ祭では、カラス団扇が配られる。祭の名は、七月二十日の例祭にスモモと栗飯を供え、これをいただくと夏病みしないというところから出たもので、境内ではスモモやモモの実が売られた。カラス団扇は真っ黒なカラスを一羽描いた団扇で、抜け目のない商人は扇子まで売り出した。軒に吊るす家もあり、これで家じゅうをあおげば災厄や疫病を追い払え、田畑をあおげば害虫がつかないと信じる人が多い。発行枚数は一年で三万本から五万本にのぼった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。