サニワにされ位牌を買わされた嫁の流産
どんな伝承か
腰痛と二人の水子に悩む六十五歳の寡婦Sさんは、隣の駅の府中にいると評判の女の大先生を、病弱な親類の嫁T子さんを連れて訪ねた。大先生はT子さんを神の使いと呼んでサニワに仕立て、T子さんは飛び跳ねたり泣き叫んだりしながらSさんの先祖の霊を降ろしたとされた。迷う霊を祀れと一体一万五千円の位牌を買わされた。足しげく通って四か月ほどたったころ、大先生が降ろす霊の名が初回と同じ人だと気づいて二人は不審を抱いたが、そのときには位牌は十五にもなり、腰痛も少しも変わっていなかった。サニワ役で疲れ果てたT子さんは過労から流産した。著者が見るとT子さんには多くの動物霊が憑いており、浄霊して二人とも回復させた。のちにT子さんは無事に女の子を産み、Sさんの腰の痛みもすっかり消えたという。
原典より
そして、あろうことか、神に仕え、神の恵みを受けているはずのT子さんが、流産してしまったのである。—— インチキ霊能力者にダマされるな(松林秀豪・霊感商法・批判) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
インチキ霊能力者にダマされるな(松林秀豪・霊感商法・批判)
『インチキ霊能力者にダマされるな』は、松林秀豪が著した霊感商法への警告の書である。著者のもとで行う「心霊110番」に寄せられた苦情相談をもとに、天国行きの切符や水子霊を持ち出す高額の請求、誓約書による責任逃れ、ドライアイスや映像を使った演出など、霊能相談をめぐる被害の手口を実例で示す。「こんな手口でダマされた」「霊能力とはどんなものか」「インチキと本物の見分け方」の三章に、ダマされないための十カ条とあとがきを添える。