巨人と山蜘蛛
どんな伝承か
岐阜県吉城郡上宝村(現高山市上宝町)の話。双六川の上流、葡萄谷の奥に出醜奴と呼ぶ小高い山があり、昔ここに猿爺と呼ばれる巨人が棲んでいた。怪力の持ち主で、胡桃を割るために谷の底から五十貫以上の大石を山上へ持ち上げたという。ある年、谷の大荒れで金木戸へ渡る丸太橋が押し流されたとき、猿爺は大洪水の谷を追いかけ、船津の古諏訪に引っ掛かっていた七間余りの大木の丸太橋を拾い上げ、そのまま肩に担いで持ち帰った。その後もたびたび洪水で流されるので金で木戸を組んだのがこの地名の起こりといい、猿爺が守り神として肌身離さず持っていた鏡一面を祀ったのが、今の白山神社の御神体であるとも伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第7巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全97話(愛知・岐阜・長野・静岡=中部)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。