酒を呑む大天狗
どんな伝承か
昔、たいそう栄えた造り酒屋があったが、いつの頃からか家運が傾き、仕込んであった酒蔵の大樽がいつのまにか空になってしまった。これは夜な夜な天狗が現れて酒を呑み干すためだという噂が立った。酒屋では夜が更けると天井がミシミシと異様な音を立て、やがて八つ手の葉のような大きな団扇を手にし、一本歯の高足駄を履いた大天狗が階段を降りてくると、まことしやかに語り伝えられていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史・自治体史(民俗))
『鹿島町史 通史・民俗編』所収の伝説。石川県鹿島町(能登・現中能登町、石動山麓と邑知地溝帯)に伝わる自然・信仰・歴史伝説を採録する。