一筋の怨念・蛇
どんな伝承か
蛇は骨を持たず地を這い続ける生き物として、古来より怨念の象徴とされてきた。安珍清姫の悲劇を描いた道成寺の縁起はその代表例で、安珍を追う清姫は川に飛び込むと同時に全身が蛇体と化す。川そのものが蛇体として観念され、瀧となって落ち、逆流して立ちのぼると龍になるとされた。埋葬された死者もまた蛇の姿になると伝えられ、脱皮を繰り返して成長し続ける蛇の執念深さは、月の満ち欠けとも結びつけて畏怖されてきたという。
原典より
それは永遠に地を這うものである。—— にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・現代(著述)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・現代(著述))
国文学者・阿部正路『にっぽん妖怪の謎―古代の闇に跳梁した鬼・天狗・河童・狐たちは生きている!?』。日本の妖怪を文化史・文学史の視点で論じる。第1章では西遊記・酒呑童子・両面宿儺・赤鬼青鬼などの鬼、石ノ森章太郎やナウシカ・未来の妖怪、地獄の辞典、ケンタウロスを扱う。