への怖れ
どんな伝承か
日本人は古来、奇怪な空中の魔である鵺への怖れが異常なほど強かったという。鵺が鳴くのは悪い予兆と信じられ、『平家物語』では源三位頼政が射落とした鵺の姿を「頭が猿、背が虎、尾は狐、足は狸」と伝えている。人間を含む動物の異常な欠落と奇妙な合体こそが妖怪の原像であるとされ、その姿は例えば千葉県四街道市物井の物井不動堂の絵馬に、有形文化財として今も残っているという。
原典より
日本人の、奇怪な空中の魔・増(鶴)に対する怖れは異常なほどであった。—— にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・現代(著述)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・現代(著述))
国文学者・阿部正路『にっぽん妖怪の謎―古代の闇に跳梁した鬼・天狗・河童・狐たちは生きている!?』。日本の妖怪を文化史・文学史の視点で論じる。第1章では西遊記・酒呑童子・両面宿儺・赤鬼青鬼などの鬼、石ノ森章太郎やナウシカ・未来の妖怪、地獄の辞典、ケンタウロスを扱う。