掌に名を握って生まれ変わった子守りオセキ
どんな伝承か
長門の通浦に、オセキという子守りの娘がいた。オセキは死んだのち、ある豪家の子に生まれ変わったが、その子は生まれたとき手のひらに、オシャリオセキという文字を握りしめていたと語られる。桜田勝徳が昭和八年の正月に聞いた話で、死者の掌の文字を生まれ変わりの証とする類話の一つである。
原典より
また桜田勝徳さんが昭和八年正月に聞いた、長門通浦の子守りオセキが、掌にオシャリオセキの文字をにぎりしめて豪家に生まれ代わった話。—— 日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)
『日本人物語5――秘められた世界』は、暮らしの奥に秘められた信仰や伝承を扱った全集『日本人物語』の一巻である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使いと犬神落とし、生霊、隠れキリシタンや隠し念仏などを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。