例一三 狩獵家を悩ました亡靈
どんな伝承か
大正の初年、山口県大津の一村に深見某という猟好きがいた。陰暦八月十五夜の月明かりに乗じ、猟友の上田某ら二人と近くの山へ兎狩りに出た。網を張って待つ間、燐寸が一本も発火せず一箱を使い切った。ふと見ると二間ばかり先に二十三、四の若い女が立っている。犬をけしかけると犬は怯えて股間に頭を突っ込み、抱き上げて投げつけようとした刹那、女は消えた。翌夜、別の山へ行くと辺りが急に暗くなり、先を行く猟犬が弾丸の貫通したような傷を受けて即死した。その夜、枕元に同じ女が立ち、友人の先妻の幽霊と分かった。
原典より
例一四 旅館の幽靈座敷例一五「九月二十二日」例一六 十年間出た少婦例一七『灰色夫人』例一八 天文學者の見た幽霊例一九 チロン伯第一章 總說—— 心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・昭和初期) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・昭和初期)
心霊研究家・岡田建文の『心霊不滅』。唯物科学を批判し、肉体死後も心霊(心識)が不滅であることを古今東西の事例で立証しようとする心霊科学書。序説でイオン研究所のエーテル体撮影や、神戸の歯科医方で死去した令嬢朝子の消息を語ったセキセイインコ、タイタニック沈没時の挿話を置く。