戸来に伝わるキリストの墓
どんな伝承か
青森県十和田湖の奥、渓流をさかのぼって原生林を十キロほど登りつめると、マユガ平と呼ばれる平原が開け、エデンの園と記した標識が立つ。そこを下ったところには白い巨大な指導標があり、十来塚にキリスト、十代墓には聖母マリアと弟イスキリの遺髪が納められていると説かれる。戸来の老人たちは、弟が身代わりとなって十字架にかかり、キリスト自身は日本へ渡ってこの地に来たのだと口をそろえた。御子の後裔を名のる家もあり、村の石切神社の名はイスキリの訛りだとも語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語・昭和(民俗))
関敬吾編『日本人物語5―秘められた世界』。日本の生活文化に潜む秘密・境界・異界・怪異を主題別に集成する。