黒河内の一山講中座の狐落とし
どんな伝承か
長野県伊那谷の黒河内では、一山講の中座が、少しとろい婆さんなどをヨリすなわち乗童に使って狐落としをした。講員が読経や神歌、真言を誦和すると、ヨリの持つ幣ががさがさと揺れ出し、ついに二尺ほども飛び上がる。狐が乗り移ったときはがさがさ揺れ、蛇のときはたらたら揺れ、御幣が右に廻れば神、左廻りなら外道だという。神懸かりになるとヨリと問答して狐の心を聴き、離れると竹の筒に封じ込める。竹筒は急に重くなって転がり歩き、それを河へ流すか辻へ捨て、道切りの唱え言を唱えて振り返らずに帰るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・石塚尊俊・民俗学・昭和(民俗調査))
民俗学者・石塚尊俊『日本の憑きもの―俗信は今も生きている』。日本各地の憑きもの俗信を実地調査と文献で体系化した研究の決定版。