弘法大師の麦伝来
どんな伝承か
弘法大師がシナから帰る時、日本に麦の種を持ち帰ろうとした。ところがシナでは麦の種を国外に持ち出すことを禁じていた。それでも何とか麦作りを日本に伝えたい大師は、ヘコ(フンドシ)の中にこれを隠して持ち出した。おかげで日本でも麦を作ることができるようになったという。麦にはヘコと呼ばれる筋が実の真中にあり、いくら搗いてもこのヘコは取れない。これは大師のヘコの中で麦の種がもまれる間にできたもので、大師の恩を忘れぬようにといくら搗いても取れなくなったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史・自治体史(民俗))
『河内町史 柑橘・民俗編』所収の昔話・伝説。熊本県河内町(現熊本市)に伝わる三十八話の口承を採録する。