畝の竹杭に灯すコダイの小松明
どんな伝承か
大分県大野郡の緒方町では、盆の十七日ごろから二十三日ごろにかけて、コダイと呼ぶ小松明の行事がある。水田を囲む畝に間をおいて竹の杭を立て、各戸から出た者が火のついた松明をいっせいにその先へ取り付けてゆく。非業の死を遂げた庄屋の霊を慰めるためだと土地では言うが、著者は本来は無縁の仏を祀る行事だろうと見ている。同じ郡の朝地町では、これと同じ行事をサネモリオイとも呼んでおり、田畑に祟る霊を追い払う意味があったらしい。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。