徳島の霊の後戻り防ぎ問答
どんな伝承か
霊送りをすませて家に戻ってきた人々と、家に残っていた人々との間に問答が交わされる。戻ってきた人々は家の玄関から入って縁側から出る、あるいは逆に縁側から玄関へ出ることを三回も繰り返し、そのたびごとに「北鬼門より一夜の宿を貸したまえ」と言う。すると家に残っていた者が「人道切れた奴には宿貸さん」と答えるのである。せっかく送り出した霊が、送っていった人の後を追って家に戻ってくるのを防ぐためのものだという。徳島県でも三好郡以外に見られる習俗である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。