山城町のノベオクリ
どんな伝承か
山城町では、七十歳を越えた老人が、ノベオクリとは鐘を叩いて行列をつくり、ある地点まで行って、そこで霊魂を送り出すことだと解していた。その人が幼少の頃に見た記憶では、ノベオクリをしている間に、遺骸をおさめた棺を送って埋葬する。埋葬する墓所は狭い山地にあるのに対し、ノベオクリをする所は大勢の人が揃えるような広い場所で、まったく違った所であったという。遺体の埋葬と霊の送りとを別に行う、徳島県西部山地の習俗の名残である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。