厚く供えると金をくれない大黒さん
どんな伝承か
大塚町の家々では、毎朝炊いた飯を神棚や床の間、台所の大黒さん、火の神さん、仏壇などに供える。ある家では、供えた飯は祖母が拝み終えるとすぐに下げて食べてしまう。台所の大黒さんは米を司る神とされるが、この神には妙な言い伝えがあった。もてなしを手厚くすると、この家は裕福なのだと思われてしまい、かえって金を授けてもらえなくなるというのである。そのため毎朝の飯を盛る茶碗も、ほかに供えるものより一回り小さいものを使う家があるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)・自治体史(民俗))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書』所収の俗信・憑きもの・民間療法。出雲平野の大塚町に伝わる心意現象を採録する。カラスの鳴き声で天候を読むアレガラスの予兆、イチヂク・ビワを植えぬ・便所に南天を植える屋敷の禁忌、キツネに憑かれることを『サバラレル』という狐憑き、繁盛するゆえ嫉まれ村八分で結婚に難のあった憑きもの筋『キツネモチ』、着物の裾を結わいたり小豆を井戸に落とすものもらいの呪術的民間療法などを収める。