新田大明神の草を採った小僧
どんな伝承か
玄端が若かった頃の話として伝わる。同業の者四、五人と薬草を採りに出かけ、新田義興の墓所である新田大明神まで来た。当時そこは竹が植えられていたという。連れていた小僧が境内の草を摘み、周りが止めても聞かなかった。宿へ戻ると小僧は正気を失い、自分の注連の草を採ったのが憎いと繰り返し叫び続けた。家中が驚いて草をもとの場所へ返したところ、小僧はけろりと治ったという。英雄の怒りが神霊となって残ったのだろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・昭和(戦中))
生物学者・小泉丹『科学的教養』(戦中刊)。国民の科学性とは科学知識の普及ではなく科学的態度であるとし、科学的・非科学的の境界を吟味したうえで、怪異談を科学的に検討する。