主を救って殺された愛妾の塚
どんな伝承か
蒲田の女塚に、小将塚あるいは女塚と呼ぶ小高い塚があり、傍らに古びた祠堂が建つ。新田義興の愛妾小将の墓と伝える。正平年中、義興が鎌倉攻めの機を窺っていたころ、家臣の竹沢良衡は足利方の畠山入道と通じて主を殺そうと謀り、京から呼び寄せた小将を養女として義興の側に差し出した。月見に事寄せて館へ招き刺す計画を立てたが、小将が易者に凶を告げられて義興を止めたため不首尾に終わる。謀が漏れたと疑った良衡は小将を誘い出して刺し殺し、堀に埋めた。のち怪異が続いたので里人が塚を築いて祀り、今も塚へ足を踏み入れる者はない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸傳説(佐藤隆三)
佐藤隆三編『江戸傳説』を全42話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。