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橋田村の唸る大欅と提灯が消える怪

所在地新潟県五泉市橋田(泉蔵寺)
年代明治期
登場関谷清次ら村人二三百人、関谷安次、関谷清一郎、大欅のある屋敷の主、清次の兄
出典妖怪の民俗学――日本の見えない空間

どんな伝承か

新潟県の村松町から一里へだてた中蒲原郡橋田村に曹洞宗泉蔵寺があり、その近くに関谷安次という家があった。屋敷内には数百年を経た高さ五間、幹の周囲約一丈の大きな欅の木がある。ある夜九時ごろ、関谷清一郎の弟の清次が地蔵の祭りの帰りにこの場所にさしかかると、持っていた提灯がふと消え、同時に病人が呻くような声が欅の根っこから発せられた。清次は震えあがって逃げ帰った。翌日、若者三名も同じ呻き声を聞き、村中に伝わった。三日目の夜には二百人ばかりが集まり巡査や区長も加わったが、音が根元か樹上かも分からず、午前二時ごろまで続いた。金甕が唸るとも、昔の墓地だから亡霊の仕業ともうわさされた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・昭和(現代民俗学))

民俗学者・宮田登が、妖怪を『日本の見えない空間』の問題として論じた現代民俗学の名著。Ⅰ妖怪のとらえ方では、柳田国男『妖怪談義』の妖怪論(妖怪は出る場所が決まり、零落した神)と、幽霊(都市の人間関係から相手を追って出る)との区別、昭和五十四年に流行した口裂け女(受験社会で母に叱られる子供の心意の投影、『喰わず女房』の鬼女の再来)と産女、島根県松江の雲州皿屋敷のお菊、明治の井上円了の妖怪学と真怪・仮怪の分類を扱う。

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